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ラベンダー祭りやったり長引いた夏風邪に悩まされたりしてレポが遅れてしまいましたが、福岡県みやま市の内野樟脳さんの工場を見学してきました。

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折悪しく結構な雨の日で少し迷いましたが、内野樟脳さんは国道から入ってわりとすぐの住宅街の中にありました。山深くクスノキ林の中にひっそりとたたずむ工場、というイメージを勝手に抱いていたんですが夢見すぎですね。

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工場の前庭には原料となるクスノキの材木が積まれていました。樟脳をとるにはある程度の太さのものでないと駄目だそうです。この写真でいうと手前の輪切りにされた幹くらい。奥にころがしてあるやつは「(窯の)焚きつけにしかならない」のだそうな。
クスノキはどこで入手するのかお聞きしましたところ「伐採して不要になったものが持ち込まれることもあるし、材木市場で買ったりすることもある」とのことでした。

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訪問した時はクスノキの切り株をチップにする加工をされていました。
この大きなカッターで細かくしていくわけです。建築現場みたいなすごい音がしていました。

もちろん精油をたっぷり含んだチップなので、周辺には強い樟脳の香りが漂っています。ミントと似ているような似てないような、清涼感のあるフレッシュな香りです。
そのお陰だと思うのですが、壁などあってないような「屋根があるだけのほぼ屋外」のような工場であったにも関わらず、虫がほとんどいませんでした。蚊に刺されやすい私がここにいる間は一度も被害にあわなかったのですからさすがは樟脳という他ありません。

チップ加工の動画を見つけましたので貼っておきます。興味ある方はどうぞ。

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チップは後方のベルトコンベヤーで二階の蒸留釜へ運ばれ、水蒸気蒸留されます。
これも動画がありましたのでご覧ください。中に人が入って踏み固めることができるくらい大きな窯であることがおわかりいただけると思います。

ちなみに樟脳を採ったあとのチップはやはり釜の焚きつけに使われます。足りるのかしらと思ったら、それどころか余るくらいだそうです。昔は銭湯に持って行ったりもしたのだとか。
そして焚きつけにした灰は鹿児島の名物「あくまき」を作るのに使われるんですって。クスノキの灰が一番いいらしく鹿児島から探し求めてやって来られた方もあるんだそうです。

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樟脳を含んだ蒸気は張り巡らされたパイプを伝って冷却槽に運ばれ、ここで冷やされ固形化します。冷却槽の上蓋部分に地下水を流してじっくりと冷やすのだそうです。

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これは圧搾する機械。
固形の樟脳と液体のオイルを分けるために搾るんだそうです。樟脳は着物などの引き出しに入れて使うものですから、オイル分が残っているとシミを作ってしまうんですね。なるべくしっかり搾って液体部分がなくなったものがよい樟脳なのだそうです。

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そしてこれが待ちこがれた樟脳オイル。ここの工場では濾したりせず、しばらく静かに置いて不純物などが底に沈むのを待つんだそうです。現在のようにアロマ用としての需要が増える前は、製薬会社などへの出荷が主流だったとのこと。

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帰り道で購入した10mlの樟脳オイル。深緑の渋いパッケージに入っています。
販売会社の方によるとどこかの雑誌に取り上げられて問い合わせが殺到しているそうで、現在品薄なんだそうです。買えてラッキーでした。

内野樟脳さんを知ったのは私がこちらに引っ越して間もない頃でしたからもう随分前のことですね。まだサイトもお持ちではなくどこかの特集ページに掲載されていたところになんとなく検索していてたどりつきました。「福岡県に蒸留工場がある!」と非常に興奮したのを覚えています。見学に行きたい気持ちはその時からありましたが、コネもない個人が行っても迷惑じゃないかなと迷っていました。

それでも関心を持ち続けているとどこかしらで噂が耳に入るもので、ご主人が亡くなられて(もともとご夫婦で工場をやっておられたのです)樟脳作りが危機に陥っていること、残された奥様が周囲の協力のもとに存続の道を探しておられるというお話が聞こえてきていました。
たまにブログでとりあげたりもしたので、昔からお読みいただいた方はご記憶かと思います。これとかこれとか。

それからまた数年が経ち、先日久しぶりに検索してみましたら立派なサイトがヒットするし、観光情報のページに掲載されているし随分とメジャーな存在になっていて驚くと共にとても嬉しく思いました。そうして数年越しの思いが実って見学に行くことができたのです。
また機会があったら訪ねたい工場です。できれば樟脳が出来上がったところを見てみたい。

おまけ:

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帰り道に立ち寄った南瀬高の道の駅でお茶。桃の季節だったのでアイスやお菓子がとても美味しかったです。
実は樟脳オイルの販売店がこの辺のはずと探し回って見つけられずここのお店の方にお聞きしたら色々調べていただいて電話番号を知ることができました。
みやま市は初めて行きましたが、人も優しいし食べ物美味しいし良いところですね!

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なにやら私にしてはバタバタした日が続き、またしつこい夏風邪に悩まされていることもありましてブログ更新滞っております。
先日見学させていただいた内野樟脳さんのことも早く書きたいのですが、多分早くて来週あたりになると思います。時間の使い方が上手にならないといけませんね。

そんな中ですが、北海道からラベンダー生花が無事届きまして現在祭り中です。

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やっぱりラベンダーの香りって良いですね!精油の香りが苦手な方も、生花の香りならOKだったりするようですよ。ああ北海道行きたかったなあ…(まだ言ってる)。

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相変わらずヘタクソですがクラフト作りもやっています。
ラベンダー生花の蒸留もお楽しみいただけます。詳しくはこちらをご覧ください。

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7月4日にファーム富田さんの創業者富田忠雄氏が亡くなられていたとのこと。
Facebookのコメントで教えていただきました。ずっと体調を崩しておられたのか、急なことだったのかはわかりませんが、これから見ごろを迎えるおかむらさきは少しでもご覧になっていたでしょうか。

北海道でのラベンダー栽培の始まりは1930年代、第二次大戦前のことでした。もちろん観賞用ではなく、香料採取を目的として植えられたのです。
当時経済的にあまり強い立場でなかった日本が良質な香料を入手するために国内での生産を目指したのだと聞きます。大戦をはさんでその動きは活発になり、富良野地方ではたくさんの農家がラベンダー栽培をはじめ、1970年に生産量はピークを迎えました。
当時はあちこちにラベンダーの蒸留所があったのだそうです。叶うことならその時代にタイムスリップして蒸留所をめぐりたいものですね。

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富田氏が中富良野でラベンダーの栽培を開始したのは1958年のこと、当時の畑は「トラディショナルラベンダー畑」という名前で今も残っています。

しかし国産ラベンダー精油の隆盛は長くは続きませんでした。安価な外国産精油や良質な合成香料に押され、北海道産のラベンダーは急激にその流通量を減らしていきます。同じような化粧品ができるのなら安い材料の方がいいですものね。当時は「国産」「とか「天然」ということに価値を見出す人も少なかったでしょうし。
そして1975年、ピークだった1970年の5年後には北海道のラベンダー栽培はほぼ終わりを迎えてしまうのです。

多くの農家が他の作物に鞍替えしていくなか、富田氏はラベンダーの畑を維持し続けました。
一度はつぶしてしまおうとトラクターを乗り入れたものの、ラベンダーが踏み潰されるバリバリという音が「悲鳴のように聞こえ」、「わが娘を手にかけているような錯覚を起こし」、それ以上進めることができなかったと著作に書かれています。

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トラディショナルラベンダー畑の前にある看板です。トラクターでつぶそうとしたのはここだったのでしょう。特徴ある文字はおそらく富田氏の直筆だろうと思います。
(画像をクリックすると拡大します)

1976年に当時の国鉄のポスターにラベンダー畑の写真が使われたことから存在が知られるようになり、香料用から観光のための花畑へと形を変えていくこととなりました。
ファーム富田さんのサイトできっかけとなったポスター写真を見ることができます(ページの真ん中あたりです)。

ファーム富田さんの最寄り駅はその名も「ラベンダー畑駅」といいます。周囲は見事なまでになんにもない、畑の真ん中の無人駅です。ここは中富良野のラベンダー畑を訪ねるためだけに作られ、夏の観光シーズンには臨時列車が停車するたびにたくさんの人が乗り降りします。
その周辺だけあまりに人が多いので選挙カーがやってきて候補者が演説を始めたこともありました。週末には畑へ向かう道路は渋滞で悩まされるのだそうです。

富良野へは海外からも観光客がたくさん来られます。特にアジアからのお客さんが多いので、コンビニのおばさんも駅員のおじさんもとりあえず客には英語で話しかける、みたいな光景が珍しくないほどです。
そういう状況を俗っぽいと嫌う人もいるでしょう。私もどちらかというと人ごみ好きじゃないので、誰もいない静かな畑でラベンダーを堪能できればどんなにいいかと思います。

しかし今の日本で、これだけ多くの人を集められる、これだけの観光の目玉になるハーブって他にはありません。それは純粋にすごいことだと思います。尊敬の念を抱かずにはいられません。

富田氏に関する本で入手可能なのは今のところ下記の2冊のようです。


わたしのラベンダー物語 (新潮文庫)

富田氏の自伝。私が持っているのは2002年に出た文庫版ですが、もともとは1999年に書かれたもののようですね。


富良野ラベンダー物語 岡崎英生 (著)

こちらは2013年に刊行されたもの。富田氏ではなく別の方が著者です。
時代背景などはこちらの方がより詳しく書かれています。

これらを読みますと、とても「熱い」お人だったようで、ラベンダーへの情熱が伝わってきます。
晩年はアロマ環境教会の顧問をなさっていたようで、どこかで講演をお聞きするチャンスがないかしらと思っているうちに天国へ行ってしまわれました。安らかに眠られますようお祈り申し上げます。

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ラベンダー祭りのお知らせです。
今年の夏は北海道ラベンダー弾丸ツアーに行けないわたくし、日々Facebookにポストされる富良野や美瑛の風景を見て気も狂わんばかりに身悶えておるわけですが、ラベンダー生花だけはいつも通り佐々木ファーム(彩香の里)さんに注文しました。
行けない分、生花をたっぷり楽しみたいと思います。

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ここで育ったラベンダーさんがやってくるわけなんですよ!

今年はいつものバンドルズ作りに加え、ラベンダーの蒸留をお楽しみいただけます。
開催期間はラヴェンダーの到着より1週間程度です。花がなくなるか、もしくは茎が乾いてきてクラフトに適さなくなったら終了です。
発送日指定が可能なお店ですので16日に開始できるよう発送をお願いしていますが、なにぶんにも生ものですから確定と言うわけではありません。若干のズレも考えられますのでご了承ください。

かすみ屋のクラフトワークショップ/ラヴェンダー祭り
開催期間:2015年7月16日~24日くらいまで お好きな日時をご指定ください。
定員:お1人様からお受けいただけます。2~3人のグループでのお申込も可能です。
場所:Aromahausかすみ屋 福岡市中央区大名(詳しい住所はご予約時に)
所要時間:2時間~3時間程度

●ラベンダー・バンドルズ作り 3500円
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ラヴェンダー・バンドルズとは花をとじこめるように茎を折り曲げてリボンを通す、ユニークな形のクラフトです。欧米では昔からシーツやハンカチの引き出しに入れ、香りを移すために使われてきました。
茎が柔らかくないとできないものですので、もともとは生花を収穫できる人だけの贅沢でした。一年のうち、この季節でしか楽しめないものです。生の花を使いますので、うっとりするようなさわやかな香りに包まれます。出来上がってからはもちろん、作る過程も楽しめるクラフトです。

・ラベンダー蒸留体験 4000円
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生のラベンダーを贅沢に蒸留してしまいます。小さな蒸留器ですから精油の採取は無理かと思いますが、採れたハーブウォーター(ラベンダーウォーター)はお持ち帰りいただけます。化粧水などにお使いいただけます。生花とはまた違った蒸留中の香りもお楽しみください。

※バンドルズと蒸留体験の両方をご希望の場合は少しだけの割引ですが6500円となります。この季節、ラベンダーをたっぷり楽しみたい方は是非!

ご予約はメールフォームにご希望のワークショップ(バンドルズ作り/蒸留体験/両方 のいずれか)をご記入の上、ご希望日時、お名前、メールアドレス、念のために携帯電話の番号をお知らせください。折り返しお返事差し上げます。

短い期間ですが、初夏の香りをご一緒に楽しみましょう。
皆様のご参加をお待ちしております。

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