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やはり気をつけて欲しいです、薬局方のハッカ油
ハッカ油はどのようにして作られるのか

ハッカ油のお話の続きです。
結晶化してメントールを分離する過程が面白そうで実際に見たくてたまらなくなり、せめて作ってるところの動画がないかな、と検索していましたら全然違うものが山のように出てきました。

youtube 「ハッカ油」での検索結果

ほとんどの動画で半裸のお兄ちゃんがヒイヒイ言ってます…。ハッカ油を使いすぎて悶絶という失敗談がネットに溢れているようですが、それを配信すれば笑いが取れると考えた人たちが体を張ってるわけですね。
ためしにいくつか観たんですがこっちが情けなくなりました。私が母親だったら乱入してぶん殴ってます(「探偵●イトスクープ」の「ア●ヌの涙」編はつい笑ってしまいましたけれどね…)。

お風呂での大量使用が一番多いようですがそれだけではあきたらず体に塗ってみるとか飲むとか…。「どんだけ口に入れても大丈夫なもの」じゃないよ!そんな使い方想定されてないから!!!タバコにハッカ油ぶっかけてメンソールタバコって!危険物第四類なんだから火気厳禁だよ!パッケージ読んでないのかよ!!!あと、「ハッカアブラ」と発音してる奴も多かったけど、「ハッカユ」だからな!どうでもいいだろうけど!

もうこっちの血圧が上がりそうなので本題に入ります。ハッカ油の成分ってどうなっているのかのお話です。

ハッカ油の内容成分は主成分のl(エル)-メントールの他にメンチルアセタート、l(エル)-メントン、1,8-シネオール、リモネンなどで構成されてるのだそうですが(詳しくはこちら)、l-メントールが30%以上、という以外、どの成分がどのくらい入っているのかがわかりません(探しても出てきません)。

問題になるのは、l-メントン等の「ケトン類」と呼ばれる成分です。神経毒性流産をひき起こす作用があるので気をつけなければならないのです。このケトン類を多く含む精油は3歳未満の乳幼児、妊婦、授乳中の産婦、年配者、癲癇患者への使用は禁忌とされています。
血圧を上げる作用がありますので、高血圧症の場合は長期間にわたり広範囲に使用してはいけません。もちろん健康に問題のない成人であっても慎重に使用しなければならないことは言うまでもありません。

Menthone

ナード・ジャパンのケモタイプ精油辞典(Ver.8)に掲載されているアルベンシスミント精油(前エントリの「取卸油」と同じ状態のもので、アロマテラピーの精油として販売されている)の成分比率はこんな感じです。

  • モノテルペンアルコール類(l-メントール) 60~80%
  • ケトン類(l-メントン) 5~15%

これだけケトン類が入っているので、当然上記の禁忌が適用となります。
ハッカ油の場合はここからl-メントールが半分以上取り除かれてしまうわけですが、取るのはメントールだけなので他の成分の量はそのままです。それどころかメントールが30%くらいにまで減ってしまった分、単純に考えてメントン(ケトン類)の比率はもっと上がっている、とみて差し支えないんじゃないでしょうか。もちろん正確な分析票がない以上断言はできないのですが。

従って、ハッカ油はペパーミント精油同様かなり使用に注意が必要なものという結論になります。価格が安い分使用量に関するハードルが低くなりがちな傾向があるので見ていて怖くてたまりません。
基本的には上記の禁忌をしっかり守り、くれぐれも使いすぎには気をつけましょう。

前にも書きましたが、発売元が想定している使い方は「矯味・矯臭剤」としてであり、一度の使用量は本当にほんのちょっとです(またそのくらいの少量でも十分効果を発揮します)。健康な成人ならまあ安全だろうというレシピを記事にしていますのでこちらも参考にしてください。

飲むのはとにかくやめてください。ケトン類の摂取で最も危険度が高いとされるのが経口摂取です。皮膚がバリアの役割を果たすので、皮膚塗布がもっとも安全な方法とされていますが限度があります。それに使いすぎると皮膚を荒らします(これはケトン類の仕業じゃないですけれど)。

夏場の害虫対策にハッカ油を使われる方もおられるようですが、一箇所で強く香らせるようなことは止めてください。吸入の場合は皮膚塗布より毒性が高くなっています。ネズミ忌避剤として使われたハッカ油を吸入したことにより肺炎を起こしてしまった例が報告されています。

もし誰かがむちゃくちゃな使い方をして大きな事故になってしまったら。
危険なものとして規制されてしまい、現在のようにお手軽に買えなくなってしまうかもしれません。今のいびつなハッカブームを見ているとその可能性はかなり高いような気がしてならないのです。

ハッカ油はいろんなことに使えるとても優秀な素材ですから、ずっとこのまま気軽に買えて気軽に使える存在であることを私は心から願っています。
そのためには皆さんの協力が必要です。難しいことではありません。きちんと用法容量を守って、身近な人にそれを伝えていってくださるだけで良いのです。どうか力をお貸しください。

長くなってしまいました。できるだけ読みやすくまとめようと頑張りましたが、目的を達成できているのか不安です。わかり辛い部分がありましたらお気軽にどうぞ(コメント欄はスパムが多くて閉じてしまいましたのでお問い合わせフォームからお願いします。すみません)。

できればこんな閑古鳥ブログじゃなくて、もっと影響力のある人に注意喚起してもらえたらと思うんですけれどね。どなたかいらっしゃらないものか。雰囲気だけのオシャレエッセイはもうお腹いっぱい。

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前のエントリの続きです。

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ハッカ油の原料となるミントはアルベンシスミント(和種ハッカ)Mentha arvensisと呼ばれます。
乾燥したものを蒸留してアルベンシスミント精油を得ます。これをハッカ油の業界では「取卸油」と呼ぶらしいです。
多くのミントの主成分はモノテルペンアルコール類のl(エル)-メントールですが、アルベンシスミントはその含有量が最も多く、この「取卸油」の状態だとメントールが全体の60~80%を占めます。ちなみにペパーミントMentha piperita精油は30~50%です。

l-Menthol

次にこの取卸油からメントールを結晶化して分離します。冷却するとメントールが固まるので、さらに遠心分離機にかけるなどの処理を行い、固形物と液体に分けます。
精油から一部の成分を固体にして取り出す、というのは樟脳作りのプロセスとも共通しますね。

こうして採れた固形物(結晶)が「ハッカ脳」や「メントール」などと呼ばれるものです。「メントールクリスタル」とか「クリスタルペパーミント」という商品名もあるようですね。純度の高いメントールなので、調剤や食品添加物などに使用されるようです。最近では石鹸づくりの材料としてまとまった量を扱うショップさんも見かけます。

この工程の説明はごくごく簡単なものですので、もっと詳しく知りたい方は下記サイト様をご覧ください。
精製方法(東洋薄荷工業)
栽培と抽出(北見ハッカ通商)

このハッカ脳(メントール)を分離した残りの液体(精油)が私たちの知る「ハッカ油」というわけです。
メントールを分離した後、と言っても全部取り去ってしまったわけではありません。30%くらいはハッカ油中に残っています。もともと全体の60~80%くらいだったメントールの量が半分くらいになったわけです。

またここで一旦切ります。作用と禁忌については次のエントリで触れたいと思います。

続きました→ハッカ油の成分、安全性について

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しばらく前に書きました、注意して使いましょう、ペパーミント精油(一番最後の記事のみにリンクしています)というエントリの続き的なもの。

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今回はペパーミント精油ではなく、ハッカ油のみに的を絞ったお話です。

だいぶ前に図書館に予約していた本がようやく届きました。手作り石鹸ブームのはしりとなった、お風呂の愉しみの作者前田京子さんが書かれたハッカ油の本です。ちゃんと数えてないけど予約してから数ヶ月待ったと思います。すごい人気なんですね。


はっか油の愉しみ

実用書ではなくエッセイ集です。まあ発行がマガジンハウスですから。ささーっと読めます。数ページ~十数ページのエッセイの後に、文中のハッカのクラフトのレシピがついているという感じ。

長いことやってるとついこういう本には点が辛くなってしまいますが、正直言ってそれほど目新しい知識があるわけでなし、レシピの方も日常でアロマテラピーを実践している人であれば作ったことがある、もしくは思いつきそうなものがほとんどです。

禁忌についての記述もとてもおざなり。後ろの方に申し訳程度に触れてるだけ。まあアロマの専門家じゃない方に詳細な知識を求めてもなあ、とも思いますが、レシピの入った本を出す以上安全性について伝えるのは義務だと思うのですけれどね。真似した人になんかあったらとか考えないのかな。

まあ、その辺を気にせず眺めてる分には楽しい本です。私もいくつか試してみたいレシピがありましたし。アロマ初心者でハッカ油を使ってみたい、という方には役立つんじゃないでしょうか。前田京子さんのステキ生活の一端が覗けますしね。かなり無理のある褒め方で申し訳ないですが。

ハッカ油は安価な分、使用量に関するハードルが低くなりがちな気がします。安いからなくなったらまた買えばいいさ、とついつい使いすぎてしまうパターンが容易に想像できてしまうのです。

そもそもハッカ油とはどんなものなのか?
ペパーミント精油と同じように使っているけど実際にはどのように違うのか?
調べてわかったことを少しずつ書いていきたいと思います。長くなりましたので一旦切ります。

続き書きました。
ハッカ油はどのようにして作られるのか
ハッカ油の成分、安全性について

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Facebookページで不定期掲載していたアロマバス日記をブログで再スタートしました。

上記リンクが無効になってしまう方はこちらから。
今日のアロマバス

何も新しく始めなくてもこのブログでやりゃあいいのに…、と思わないでもありませんでした。ブログ増やしちゃうとメインであるはずのこのブログの更新がおろそかになってしまうじゃないかと(ただでさえマメ更新じゃないですしね)。

ですがいわゆる「サロンブログ」であるここと、アロマバス日記とではなんだか自分のスタンスが違うのですよ。それが文体の違いになって現れるように感じるので、どうしても統合する気にはなれないんです。何を大げさな、もったいぶるような文章かよ、と思われるでしょうが。誠にごもっともなんですが。

以前やっていたFC2ブログのログも残っているのでそちらに戻すことも考えたのですが、ずっと前に登録したもののほとんど使っていなかったBloggerのブログがあったことを思い出し、心機一転そっちで頑張ってみることにしました。

とりあえず、1月になってからのFacebookページのログをまとめています。ぼちぼち更新していきますので、このブログともどもよろしくお願いいたします。

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舞鶴公園(福岡城址公園)の梅園にいってきました。
ここの梅園はお正月を過ぎたら少しずつ花をつけ始めるので、それからスギ花粉が飛び始めるまでが私の梅見シーズンです。

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暖冬なので例年より咲いてはいましたが、まだ蕾の方が圧倒的に多いです。
訪問したのが夕方近くだったので、あまり写真のうつりがよくありません。

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咲いているのは紅梅が多かったです。開花はしていないものの膨らんでいる蕾も多数見かけましたので、来週には白梅も楽しむことができるでしょう。

梅の香りについて検索していましたらこんな記事を見つけました。2010年のニュースリリースなのでちょっと古いですけれど、花王のが独自技術による梅の花の香りの分析結果です。


紅梅と白梅で成分がずいぶん違うんですね。
紅梅はスパイシーなんだ…。今度行った時は意識してみよう。
そして朝の方が香気が高いんですね。早起き苦手なのでちょっと辛いですができるだけ頑張ってみます。

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白梅の香りの主成分の一つ、ベンジルアセテート(酢酸ベンジル)C9H10O2はこんな構造式です。NARDのケモタイプ精油辞典(Ver.8)ではエステル類に分類されており、抗疼痛作用、鎮静作用、β-エンドルフィン作用などの固有作用があります。精油ではイランイランやジャスミンなどに含まれます。フレグランスの素材としてもポピュラーで、調香の勉強をしていた際にもよく使用していました。

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昨年末にアップしようと思っていて忘れていました。

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今年もカレンダーを作りました。毎回今年こそはもう少し変えようと思いつつ結局同じになってしまう殺風景なカレンダーです。この時期ご希望のお客様に差し上げております。
写真は青い用紙のものですが白バージョンもございます。

多分1月末まで配布していると思いますので、ご希望の方はお気軽にお申し付けください。

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明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

毎年やってくる甥や姪たちが今年はそれぞれ別のところでお正月を過ごしておりますため、母たちととても静かな新年を迎えました。

写真はあまりよい出来ではありませんが、寒さに震えながら撮影した初日の出です。たまたま丁度良い時間に目が覚めましたので撮ってみました。
太陽が出るあたりが明るくなってからが結構長いんですね。スマホ撮影の為に手袋をしていなかった右手が冷たくなりすぎてマヒしてしまいました。暖冬とはいえ早朝はやはり冷え込みます。その後のお雑煮の美味しかったこと!

新年は6日からゆるゆると営業してまいります。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

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