(前のエントリの続きです)
加えて、マルチアロマの会社の精油にはロットごとの成分分析表が添付されていないという事実にもひっかかるものを感じます。検索していたら「成分分析はしている。すばらしい結果が出ているそうだ」という主張を見つけましたが、それが事実であったところでエンドユーザーにフィードバックされないのだったら意味ないと思いませんか。
通常、精油に分析表をつけない理由は「分析すること」そのものにけっこうなお金がかかるからと聞いています。それによって精油の代金が跳ね上がることを避けるために、あえて分析していないメーカーもあるようです。しかしすでに分析をしているのにその結果をユーザーに知らせないのは何故なんでしょう。
どっかで「食品添加物として許可とってるから分析表はいらないんだ」って珍説が出てましたがwww どういう理屈なんでしょうか。笑うとこなんでしょうか?ここ。
そして曲がりなりにも成分分析の重要性を学んだ者にとって、ろくに内容成分のわかっていないものを体に取り入れる(しかも飲んだり塗ったりしてけっこう大量に)という行為は戦慄を覚えるものでしかありません。別に私は分析表至上主義(とっさの造語ですがニュアンスはおわかりいただけるかと)というわけじゃないんですが、こんなにたくさん使うんだったらやっぱり分析表がないと駄目でしょう。
さて、ここで改めて「精油」についての定義づけをしておきます。
「精油(エッセンシャルオイル)とは植物の有効成分を蒸留、圧搾などの手法で抽出した有機化合物で、多種類の天然の化合物を高濃度含有するもの。含まれる物質(成分)の種類により香りや作用が異なる」
言い回しの違いは多少あれど、私たちはこのように教えられてきました。
マルチの会社では、自社の精油が「植物の生育環境にこだわり」「抽出法にこだわっている」、だから高品質なのだ、と主張しています。でもその「こだわり」としてアピールされている製法は別にごく普通のことで、他の会社にくらべて特にすごいことをしているとも感じられません。もちろんネットで調べられる範囲のことですから、実際に農場や工場を見学したらその素晴らしさに「目覚める」可能性もゼロとは言いませんがw。って言うか見せてくれないってば。会員でもないのに。批判しまくってるのに。
それに本当に高品質(私は信じてませんが)だとしてもちょっと待ってください。
高品質=原液塗布や飲用が可能、ということはありえません。
モノが「精油」である限り。
つまりどんなに最高級のものであっても精油は精油なんです。上記の定義の通りすごく「濃い」ものなんです。安全な成分だけでなく、中にはデメリットのある成分を含んでいるものもあるのです。どんなに高品質といわれるものであっても、一部を除いてそうそう手軽に原液での塗布や飲用ができるものじゃないことに変わりはありません。
精油化学を学べば学ぶほど、精油の使用量には慎重になっていきます。三上杏平先生のセミナーでも「濃度が重要。薄くても十分作用する成分があるので注意が必要」「1%でも濃すぎの場合があるんじゃないかと思う」というお話がちょくちょく出ます。
精油化学にそれほど詳しいと思えないマルチアロマの「セラピスト」が原液で大量に塗布でき、そして飲用もOK、なんてものがあったらもはや私たちの定義する「精油」とは別のものです。「セラピー等級」なんて冗談としか思えないのです。「精油」でこんなことをやっていたらいつかは事故が起きるのではないかと心配でなりません。表沙汰にならないだけでもう起きているかもしれません。
以上がマルチ商法のアロマテラピーが好ましくないと私が考える理由です。
個人的な見解と最初に書きましたが、ある程度勉強をしてきた人ならば誰でもたどり着く結論ではないかと思います。
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