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実家で山椒の実を収穫してきました。赤く完熟しています。
緑色の未熟果はぬか床を作っている母のお友達に分けたんですが(そして時々美味しく漬かったキュウリなどいただくという嬉しい連鎖)、上の方で採りきれなかった残りが完熟してこのように赤くなりました。

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赤い実というのは何故か心躍るものですねえ。

今回は香りを採るというより料理に使ってみたいのでこのまま乾燥させてコショウみたいに挽けばいいのかな、などと思っていたんですが、ちょっと調べたら果皮と種を分けないといけないらしい。種が入ったままじゃ食感がよくないとか、油分を含んでいるので酸化してしまうとか(油分ってもしかしたら精油?)らしいです。
もちろんひとつひとつ手作業でやるしかないので実はけっこう面倒かも。まあそういう作業も嫌いではないんですが。

乾燥したら種がはじけていくみたいなので少しずつ果皮と種を分ける作業をやっています。香りは山椒の葉よりマイルドで爽やか。また途中経過アップしますね。

今回とても参考になったのは京都の風連堂さんのサイト。赤山椒が専門のお店です。
山椒専用乾燥機があるなんてさすが専門店。見てみたい。私はいつもの食器乾燥機で乾かすしかないんですけどね。

余談ですが、山椒の木というのは植え替えがしにくいのだそうですね。実家では種が落ちて発芽したのが何本もあるので欲しい方にお分けしたのですがどれも枯れてしまったとか。
じゃあそもそもウチにあるこの木はどこから来たのかと母に聞きましたら、どうやら実家が建つ前、この一帯が雑木林だった頃からあったらしいとのことでした。我々よりずっと古株なわけだ…。

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終戦の日に寄せて、いつもとは少し毛色が違うお話です。

とあることから「松根油(しょうこんゆ)」というもののの存在を知ったのは昨年の末。このブログをお読みくださっている中にもご存知の方は少ないかもしれません。

松根油はクロマツやアカマツなど松の木から採取される油でありますが、アロマテラピーや化粧品、調剤に使われるものではありません。なんと戦闘機の燃料として使う計画があったのです。第二次大戦末期の物資が不足する中、石油の代替として注目され各地で採油が行われました。労力として駆りだされたのは「銃後」を守る女性や子供、高齢者たちでした。
国を挙げての大プロジェクトであったらしく、ポスターまで製作されています。燃料問題が深刻化していたことがうかがえます。

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全村をあげて松根油赤だすき 松根油緊急増産運動(垂井町文化財アーカイブ)

松根油の作り方には二通りあったようです。
まず、文字通り「松の根」から採取する方法。古木の切株(できれば伐採してから10年以上経ったもの)を掘り起こして細かくした後、乾留という方法で油を抽出するやり方です。水を使わず蒸し焼きにし、出てきた蒸気を冷やして液化させます。

樹木から採油する場合、材料を細かくする作業が必要です。先日見学した内野樟脳さんでは大きなカッターでチップにしておられましたが戦時中はそういう設備もなく、すべてが手作業だった様子が記録に残っています。食料も乏しい時代に大変な重労働であったのは想像に難くありません。
切り株は伐採してから古ければ古いほど採油率が良かったようです、根の部分に精油が集中しているのでしょうね。しかしそのうち古い切り株だけでは足りなくなり新しい根や生木、杉やヒノキの古株まで使い森林の荒廃が拡大してしまう結果となりました。

参考:
松根油(しょうこんゆ)を訪ねて(ハリマ化成グループ)
松から油 駆り出された「銃後」(東京新聞)
松根油は語る(日本空襲と原爆)

※余談ですが、樟脳も火薬の発火剤として軍事利用されていた、西日本にクスノキがやたら植えられているのはその名残だ、とある講演でお聞きしました。本当に使えるものなら何でも使った時代であったのですね。

もう一つ、松脂(まつやに)から油を採取する方法がありました。
松の木の表面に傷をつけるとにじみ出てくる樹液(松脂)をとり、蒸留、精製する方法です。詳細な製法は不明ですが、もしかしたら私たちの知る樹脂系精油と似たような作り方なのかもしれません。

これらの油は一括して「松根油」と呼ばれていたものの、厳密には松の根を乾留したのを「松根油」、松脂から精製したものを「松精油(しょうせいゆ?)」という区別があったそうで、品質としては松精油の方が上、生産量としては松根油の方が多かったと書かれています。

松の木に刻まれた戦争(二〇世紀ひみつ基地)
赤松のまだ傷癒えぬ終戦日(二〇世紀ひみつ基地)
アカマツに刻まれた戦争のあだ花(カフェ「道みち」)

この松脂を採取した跡は現在でも見ることができます。古木が残っているような松林に行くと根元に近いあたりに下向きの矢印のような傷がある木がそうです。私も一箇所それらしき傷のある松を見つけましたが、あまり良い写真が撮れていなかったので掲載は見送ります。

キャンパスにある松脂採取の痕(西南メモリアル)
松根油採取あと(虹の松原七不思議の会) ※PDFファイル

多くの人が大変な思いをして作られた松根油でしたが、当初の目的であった戦闘機の燃料として実用に供されることはついにありませんでした。油を採っただけでは駄目で、燃料となるにはそれから様々な工程を経なくてはならないのですが、そのための設備が整わないうちに終戦となってしまったのです。内地でガソリンと混ぜて試験飛行に使ったという記録はあるそうですが、質が悪くすぐエンストするのでパイロットからは嫌われていたのだとか。

松の他にも、サツマイモなどの農産物を発酵させてエタノールを採取し、燃料に使おうとした動きもあったようです。それにより日本酒や焼酎などの酒造場が燃料工場への転換を強いられました。

参考:
●未知なる燃料を芋に求めて(生化夜話)

どのやり方にしても戦闘機一台飛ばすのに恐ろしく沢山の原料を必要とし、そして工程はすべて人力でまかなわれなければならず到底現実的とは言えません。にもかかわらず大真面目に実行しようとしていたところに戦争の狂気を感じてしまいました。

このような歴史を調べるたび、我々がアロマテラピーやハーブにうつつを抜かし、オーガニックとかなるべく自然のものをとか言ってられるのは戦争や軍事紛争に縁のない社会と高度な経済成長あってのことなのだなと痛感します。
蒸留所を見学してはしゃぎ、安酒ながらも楽しく酔っぱらうことのできる幸せを噛みしめ、すべての国に平和が訪れることを願ってやみません。

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前の記事の続き。
菩提樹の香りを堪能した後は、筥崎宮の花庭園でユリを見てきました。

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ここは冬の牡丹で有名ですが、ユリもいろいろな種類があり見ごたえがあります。残念ながら香りを感じられるものはありませんでしたが。

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一番数が多かったのがこの黄色いユリ。育てやすいのでしょうか。

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数は少ないですが赤やピンクのものも。

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実はここの花庭園では「ハカタユリ」という珍しい種類のユリが公開されていた時期があり、今でも見られるのかなと淡い期待を持っていたんですが、残念ながら「大変育成が難しく、現在当園で博多ゆりを見ることはできません」との貼り紙が。

写真では文字が見えづらいと思いますので少し解説しますと、このユリは鎌倉時代に渡来し、まず博多に持ち込まれたので「ハカタユリ」の名がついているようなのですが、繁殖力が弱く病気にもやられやすいので現在では絶滅寸前、岐阜県瑞浪市でわずかに栽培されているのみなのだそうです。そこから球根をわけてもらって一時は開花に成功したものの根付かせることはできなかったということのようなのですね。

そして何より、このユリは「香りが良いのが特徴」なんだそうです。これを読んだ瞬間イタリアのマドンナリリーの香りをいまだに引きずっているわたくし一気に頭に血が上り、「岐阜?瑞浪市ってどうやっていくの?とりあえず飛行機!!」と燃えあがったんですが帰宅して調べたらどうやら福岡市植物園にもあるらしい。そして今年も普通に開花しているらしい。よかったまたやらかすところだった。
植物園のハカタユリを見に行ったらまた記事にしますね。

おまけ:

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筥崎宮の境内には「あじさい園」がありますが、ユリの花はここにはありません。ユリのある「花庭園」は境内を出て地下鉄の駅の近くです。お気をつけください。
私はよく考えずこの2つが同じものだと思い込んであじさい園の方に入ってしまいまして、ここにユリがあるわけじゃないんだと気づいた時の絶望(しかも別料金)と言ったらそりゃあもう!折角なのであじさいの方も堪能してからユリ見に行きましたが。運動不足なので丁度よかったわ!
こんなバカな間違いをやる人もそうそういないかと思いますが念のため。

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